家庭でできる省エネは? なにから始めたらいいの? SAPPORO 未来デザイントーク 10人のエバンジェストが語る 持続可能なライフスタイルへの転換 インタビュアー 菅井貴子(すがいたかこ)北海道文化放送「みんテレ」出演中気象予報士・環境エコリーダー等

千葉 英樹(ちば ひでき)

北海道地球温暖化防止活動推進員
省エネ・脱炭素エキスパート
【家庭分野 診断指導級】

環境省家庭エコ診断制度
うちエコ診断士

2011年内閣府地域雇用創造事業の「カーボンカウンセラー養成講座」の受講生と“省エネとCO2削減の普及啓発活動”をするためのNPO北海道省エネまちづくり協会を設立。
その後、「家庭の省エネエキスパート診断・指導級」の資格取得や北海道地球温暖化防止活動推進員委嘱。学校や町内会向けに省エネ出前授業の実施や、家庭の光熱費やCO2削減を助言する環境省の「うちエコ診断士」としても活動。
また、環境イベントでは次世代を担う子供達に新エネルギー興味促進をはかるため、“温度差発電”や“水と塩で発電できる燃料電池”の体験展示をしている。

すぐに始められる!家庭の省エネ

基本は、減らす・ずらす・切り替える

家庭でできる省エネには3つの方法があります。

使うエネルギーを“減らす”

電気製品の無駄な使用を控えたり、消費電力の小さい使い方をする。冬でいえばストーブをつけている時間を短くしたり、温度設定を低くするということです。

家庭での節電 その1

使う時間帯を“ずらす”

特に電気に関係することですが、朝は家族みんなが忙しく同時にいろいろなものが動き出します。IHクッキングヒーター、オーブントースター、電気ポット、年頃のお子さんがいればドライヤーが動く。これらの使う時間をずらすことで、ご家庭ではブレーカーが落ちる心配がなくなり、電力会社も余分な電気をつくらなくて済むため日本全体での節電につながります。帰宅後の17〜19時もピーク時間帯なので、ここも使う時間をずらすといいでしょう。

家庭での節電 その2

10年をめどに新しい製品に“切り替える”

冷蔵庫やテレビなど家庭で使われる主な製品は、毎年のように省エネ性能が上がっています。例えば、同じ容量の冷蔵庫を10年前のものと比較すると32〜40%くらいは消費電力が削減されています。冷蔵庫は24時間365日動いていて突然壊れることもありますし、10年経つと新製品には新機能が備わっていたりするので、10年をめどに買い換えをおすすめしています。

家庭での節電 その3
家庭で一番電力を消費するものは?
出所:経済産業省 総合エネルギー調査会省エネルギー基準部会(第17回)資料
「トップランナー基準の現状等について」

ちょっとの見直しで大きな省エネ効果!

照明をLEDに切り替える

家庭で使う電気製品のなかで一番電力を使うのが冷蔵庫で全体の14.2%、その次が照明器具で13.4%です(資源エネルギー庁平成21年民生部門エネルギー消費実態調査および機器の使用に関する補足調査より)。リビングなど長い時間いる場所は、できればLEDに換えるといいでしょう。「できれば」といったのは、おうちによって工事が必要な場合があるからです。ただ、LDKがワンルームなど広い部屋では、天井付けのシーリングライトを蛍光灯からLEDに変えると電力使用量が約半分になり、非常に効果が大きいのも事実です。また最近では、トイレや玄関に人感センサー付きのLEDランプをつけるご家庭も増えています。

電球形LEDランプに交換。年間で電気90.00kWhの省エネ 約3,360円の節約

電子ジャー炊飯器や電気ポットは保温OFF!

保温をやめることで、かなり省エネになります。電子ジャー炊飯器で4時間以上保温した場合と、ご飯を食べ終わったらスイッチを切って冷凍し食べる時に電子レンジで温めた場合では、後者のほうが省エネになるという結果も出ています。

電球形LEDランプに交換。年間で電気90.00kWhの省エネ 約3,360円の節約

節水でも省エネ

水道水が家庭に届くまでには、川から汲み上げる取水、その後の浄水、マンションであれば屋上の給水塔への汲み上げなどいろいろな段階があり、各段階で電力が使われています。ですから、みなさんのご家庭での水の使い方を少なくすることで、全体の消費電力を減らすことができるのです。
特にシャワーの流しっぱなしは5分で60リットル、15分でバスタブ1杯弱を浪費することになります。食器などの洗い物や歯磨き・洗顔時もこまめに水を止めるように心がけましょう。

節水でも省エネ 水道の水は、いろいろなところで電気を使っている
電気製品の上手な使い方

冬の工夫 〜エネルギーを抑えて、暖かく暮らすために〜

人間は膝より上が暖かくても足元が寒いと「寒い!」と感じて、暖房の温度をどんどん上げてしまいます。ですから、フローリングなど床の冷たさが直接足に当たらないように保温シートを敷いて、なおかつカーペットを敷くなど床の工夫が必要です。
もうひとつは身につけるものです。厚手のソックスを履くとプラス0.6度くらい暖かくなります。さらにスリッパを履くともっと体感温度が上がり、膝掛けやカーディガンを利用することでも2.2度~2.5程度上がります。
室内に冷気を呼び込まないという点では、カーテンを厚手にして床まで届くサイズにするのも大切なポイントです。せっかく暖めた空気も窓に当たるとガラスの冷気を拾って冷やされ、室内の寒さにつながります。それを防ぐため、床に着くかそれ以上の長さのカーテンで遮断する。カーテンボックスがなくカーテンレールがむき出しの場合は布などのカバーで覆い、暖めた空気が窓に行かないように工夫することもできます。

部屋着やカーテンなどの工夫で暖房の省エネ

家庭にはそれぞれ、大切にしたい生活文化があると思います。例えば、我が家は冬も25度の暖かい空間で半袖でいたいというなら、それはいいとして、代わりにテレビの明るさを調整したり、冷蔵庫の設定温度を少し抑えるなど別の部分で工夫する。優先順位をつけることは各家庭でできると思うので、優先度に合わせて電気を使うところ・工夫するところを意識していくといいのではないかと思います。

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